目標来訪者数の140%を達成!VポイントのデータでEBPMに即した観光プロモーションを

長崎県観光連盟
総務企画部 マーケティング室 上杉 太輝氏

目的

長崎県の観光客誘致を促進するプロモーション施策の分析/企画/プロモーション/来訪検証までを一気通貫で行い、課題である来訪者計測を実現する。
施策

1.3億人(有効ID数)のV会員のデータを活用しクラスタリングを行ったうえでデジタル広告を配信。さらに効果検証で来訪者を計測。

効果

目標来訪者数に対して140%を達成。広告費の約4倍の経済効果を出すことに成功。
いままではなかった“指標のベース”ができたことで予測や対処も可能に
近年、注目を集めている「EBPM(Evidence Based Policy Making)」。合理的な根拠となるエビデンスデータを用いた実効性の高い政策立案は、観光プロモーションにおいても重要視されています。

しかし、いざEBPMに取り組もうと思っても、「どんなデータを使えば上手くいくのか分からない」「せっかくデータ分析をしても、そのデータをそのままプロモーションに使えない」「実施したプロモーションがどれくらい来訪に繋がったのか検証ができない」といった悩みを抱えている自治体も少なくないのではないでしょうか。

CCCMKホールディングス(以下、CCCMK)では、2023年度に長崎県でVポイントのエビデンスデータを用いた観光プロモーションを実施。分析/企画/プロモーション/来訪検証までを、1つのIDで一元管理する高精度なマーケティングモデルによって、目標来訪者数に対して140%を達成。広告費の約4倍の経済効果を出すことができました。

実際に、どの様な取組によって成果に繋がったのか。その詳細を、長崎県観光連盟の上杉太輝氏(総務企画部 マーケティング室)と、CCCMKの戸田貴之氏(データベースマーケティング事業本部)が語り合いました。

「何人来たのか」──具体的な数字を求められるように

上杉(長崎県観光連盟)「我々はこれまで、長崎県の観光客誘致を促進するためにさまざまなプロモーションを実施してきました。ただ実際にプロモーションによって来訪した人数がハッキリとは分からない状態が続いていました。一方で、近年は観光プロモーションにおいても、具体的な効果検証が求められます。

そうなると、来訪者を計測できる手法が必要。さまざまなサービスを社内で検討する中で、CCCMKさんの提供するサービスを知ることになりました。日本トップクラスの膨大な会員規模(有効ID数1.3億人/年間利用ユーザー数6,700万人)を持ち、ターゲットを特徴別に分類して精緻な分析ができることに魅力に感じてVポイントのデータを用いた取組の実施を決めました。」

戸田(CCCMK)「改めて御採用いただき、ありがとうございました。現在、この取組スキームは『モアカム』という名前でサービス化もさせていただいておりますが、実際に実施してみて、いかがでしたか?」

上杉(長崎県観光連盟)「“データの粒度がめちゃくちゃ細かい”というのが正直な感想でした(笑)」

戸田(CCCMK)「Vポイントのデータは規模だけでなく、種類の多彩さと粒度の微細さも特徴の1つですので、そう言っていただけると嬉しいです。特にペルソナ分析では、各種観光データから選定したターゲット層を特徴別に5つのクラスタに分けた上で、それぞれの属性/興味関心データや単品単位の購買データに加え、志向性データも300項目以上出して分析しましたね。細かいからこそ、人物像を深く理解することが可能ですが、そこから各クラスタに、どんなコンテンツで長崎の魅力を訴求するか?は悩みどころだったかと思います。」

分析イメージ
分析イメージ
上杉(長崎県観光連盟)「実際、配信するコンテンツはかなり悩みましたね。」

戸田(CCCMK)「ただその甲斐もあって、時代小説をよく買われるクラスタに対して『潜伏キリシタン』の歴史遺産コンテンツで広告配信すると、非常に良い反応が得られる等、しっかり効果にも繋がったかと思います。また各クラスタの人物像に合ったコンテンツで広告配信を行い、その後クリックしたか?だけでなく、実際に長崎県に来訪したか?までを検証することで、どのクラスタにどんなコンテンツで訴求すると来訪効果が高いのか?を解明していきました。ここの取組については、どのような感想を持たれましたか?」

上杉(長崎県観光連盟)「良い結果が出たクラスタとコンテンツの解明もそうですが、逆にウケていない(サイト遷移に繋がらなかった)コンテンツがわかったというのも大きかったですね。今まで効果があると思ってやっていた内容が、実はクリックには繋がっているけど、来訪に対してはそこまで刺さっていなかった、ということがわかったのが強く印象に残っています。」
戸田(CCCMK)「仰る通り、エビデンスデータを用いた取組では、上手くいったことだけでなく、上手くいかなかったことも “分かる” ことが真の価値ではないかなと思います。上手くいったことは継続し、上手くいかなかったことは改善することで、次はもっと上手くいくはずですので。」

いままではなかった“指標のベース”ができたことで予測や対処も可能に

上杉(長崎県観光連盟)「今回の取組においても、目標来訪者数の達成に向けて、途中で広告運用の反応の悪いところは切ったり、途中でクリエイティブを変えたりして短い期間でPDCAを回していきました。その結果、目標の140%を達成できたのは良かった。社内の反応も、『これだけのことがわかるようになったんだ!』という感じでした。

また、今回の取組で目標来訪者数の基準ができた、というのがかなり大きな成果だと思います。目標人数を誘致するためにはどんなプロモーションが必要で、どれほどのリーチ数やインプレッション数が必要で、プロモーション予算はいくら必要になるのか。手元の予算で目標をクリアするためにはどこを強化すればいいのか、閑散期にお客様を呼ぶには?といったことを考えられるようになったわけです。

一方、今回はクリック数を注視して運用しましたが、クリック率が大切なわけではないとわかったことも収穫でした。クリック率よりもリーチ自体を伸ばした方が来訪者の分母が増えるということもわかりました。」

戸田(CCCMK)「クリックがいかに効率よくなっても、実際に来訪するかどうかうまく相関しないことも結構あるということですね。クリック効率だけを見ると落とし穴にはまるかもしれないという重要な示唆だと思います。ちなみに、今回に限らずこういったことが分かる様になると良いなと思うことはありますか?」

上杉(長崎県観光連盟)「そうですね、通常閑散期と言われる時期の空港や宿泊といった予約の予測ができるようになるといいなと思います。それが早めに分かれば、そこを埋めるために何かできるじゃないですか。、集客が難しそうな時期を先読みして、3カ月、6カ月先の予約を埋めていくような施策ができるといいなと思います。」

戸田(CCCMK)「確かに、この時期は特定価格帯の宿はすぐに予約が埋まってしまうけれど、それ以外の宿は意外と空いているなんてことも結構ありますよね。その場合、空室になりやすい宿に合ったターゲットを時期毎に設計してプロモーションを行うことで、先の予約を見越した施策ができそうです。まだまだ、できることは多そうですね!」

Vポイントのデータを使って観光マーケティングを!

戸田(CCCMK)「最後に、今回実施したVポイントを用いたマーケティングモデル『モアカム』について、オススメできそうな企業や団体があればお伺いできますか?」

上杉(長崎県観光連盟)「他の自治体は勿論ですが、我々のような観光系の団体の方にもオススメしたいですね。その他にも、来訪誘致という点では商業施設等の不動産会社さんにも『モアカム』は有効かもしれませんね。その場合、人物像のデータはどんなテナントを誘致するかの判断材料にも使えるなと思います。」

おわりに

今回は『モアカム』を使い、EBPMに取り組んだ長崎観光連盟の事例をご紹介しました。CCCMKが持つ、日本トップクラスの会員データを使って、今まで見えなかった実態がわかるようになったことが良かったと感じていただきました。

上杉(長崎県観光連盟)「“西海国立公園”の70周年記念イベントなどのタイミングもありますので、来訪回数やリピーター増を目指して施策を進めていきたいですね!」

弊社では、目的に合わせて購買・行動データを活用した施策のご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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