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購買行動モデルとは?消費者行動プロセスを分析するフレームワーク

企業のマーケティング担当者にとって、消費者の購買行動を把握して施策を検討することは重要です。しかし、購買行動モデルにはさまざまな種類があって、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、代表的な購買行動モデルの特徴と、分析事例についてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.購買行動モデルとは、消費者の購買までの心理・行動を把握するためのフレームワーク
  2. 2.マスメディアの時代の購買行動モデル:AIDA・AIDMA
    1. 2.1.AIDA
    2. 2.2.AIDMA
  3. 3.インターネットの時代の購買行動モデル:AISAS
  4. 4.SNSの時代の購買行動モデル:VISAS
  5. 5.コンテンツマーケティングの時代の購買行動モデル:DECAX
  6. 6.CCCMKホールディングスが提供する購買行動データ分析サービスの内容と特徴
    1. 6.1.ID-POS分析 
    2. 6.2.TVデータソリューション
  7. 7.CCCMKホールディングスが支援した購買行動分析の実例
    1. 7.1.事例:野菜ジュースのTVCM出稿の最適化
  8. 8.購買行動モデルを意識して、効果的なマーケティング手法を検討しよう

購買行動モデルとは、消費者の購買までの心理・行動を把握するためのフレームワーク

購買行動とは、消費者が商品やサービスを購買するまでに起こす行動のことです。
消費者は、さまざまな心理・行動のプロセスを経て購買に至ります。ほとんどの消費者はそのプロセスを意識していませんが、適切なマーケティングを行うためには、企業は消費者の購買プロセスを理解する必要があります。

そこで、消費者の購買プロセスをわかりやすいフレームワーク(枠組み)で考えられるようにしたのが購買行動モデルです。これにより、消費者の行動・心理のプロセスが把握しやすくなり、企業はマーケティングのための施策を検討しやすくなりました。
とはいえ、購買行動モデルは不変のものではなく、メディア(媒体)の移り変わりによって変化し続けています。直近20~30年のメディアの変遷を見ても、マスメディアが情報を獲得するための主な手段となっていた時代を経て、インターネット・SNSなどの新しいメディアが次々に台頭し、情報収集の手段が多様化してきたのはよく知られていることです。

メディアの移り変わりに応じて、「マスメディアの時代」「インターネットの時代」「SNSの時代」「コンテンツマーケティングの時代」の大きく4つに分けて、それぞれの時代における購買行動モデルが考案されています。  
次の段落より、それぞれの時代の代表的な購買行動モデルの内容と特徴を確認していきましょう。

マスメディアの時代の購買行動モデル:AIDA・AIDMA

マスメディアとは、テレビや新聞など大衆向けに発信するメディアのことです。
マスメディアの時代では、消費者はテレビや新聞から情報を一方的に受け取り、購買行動を決めるのが一般的でした。
マスメディアの時代の代表的な購買行動モデルには「AIDA(アイダ)」と「AIDMA(アイドマ)」があり、それぞれ下記のような特徴があります。

AIDA

購買行動モデルの中でも、最も古典的なのがAIDAです。AIDAは、アメリカのセント・エルモ・ルイス氏が提唱したもので、「Attention(認知)」「Interest(関心)」「Desire(欲求)」「Action(行動)」の4段階を経て、商品やサービスの購買に至ると考えます

それぞれの段階で消費者は下記のような意識・行動を経ると考えて、企業は、その意識・行動が起こるようにどのように働きかければ良いかを考えていくことになります。例えば、認知してもらうための広告の実施方法や、関心・欲求を喚起するために商品の魅力をわかりやすくアピールする方法などを検討していくのです。
なお、AIDAはほかの購買行動モデルの基礎にもなっています。

■AIDAによる購買プロセスの分類

AIDMA

AIDAの次に発表されたのが、AIDMAです。AIDMAはAIDAに、「Memory(記憶)」が追加されています。消費者は商品の情報を受け取ってすぐに購買するのではなく、一度記憶し、思い出してから購買するというプロセスが加わったのです。

人は、商品に興味・関心を持って、欲しくなった場合でも、時間が経つと忘れたり、購買意欲が落ちてしまったりします。そこで、継続的に何度も広告を打って記憶を喚起したり、消費者の記憶に強く残る広告を実施したりする必要があります。

■AIDMAによる購買プロセスの分類

インターネットの時代の購買行動モデル:AISAS

インターネットの普及により、消費者の購買行動は変化しました。そこで、新しい購買行動モデル「AISAS(アイサス)」を提唱したのが株式会社電通です。

インターネットにより、企業から消費者へ一方的に情報を提供するだけだった時代が、消費者自身がインターネットで検索・共有をする時代に変わりました。気になる商品があればインターネットで検索し、購買後にはSNSやブログ、クチコミサイトなどで発信・拡散するようになったのです。
そのため、消費者の購買行動としても、「Desire(欲求)」や「Memory(記憶)」などよりも、「Search(検索)」と購買後の「Share(共有)」に注目すべきだと考えられるようになりました。

インターネットが普及してからは、消費者がインターネット上で簡単に商品情報に触れられるようにして、さらに消費者による商品情報の発信もしやすくするような、企業側の取り組みが重要になっています。

■AISASによる購買プロセスの分類

SNSの時代の購買行動モデル:VISAS

インターネットが普及してからしばらくすると、TwitterやFacebook、InstagramなどのSNSが広まり、消費者同士での情報共有が盛んになりました。AISASが想定したインターネットの時代から、よりSNSの重要性が増した時代に変化していったのです。

SNSでは、消費者が発信したクチコミを偶然目にして、商品を認知することがよくあります。そのような偶然の認知から購買欲求が生まれるプロセスをモデル化したのが、VISAS(ヴィサス)です。
VISASでは下記のように、消費者はクチコミの発信者や発信された内容に影響を受けて購買に至ると考えます。企業は、消費者のクチコミによる拡散から購買までの過程を意識したマーケティングを展開する必要があるのです。

■VISASによる購買プロセスの分類

コンテンツマーケティングの時代の購買行動モデル:DECAX

コンテンツマーケティングとは、ブログやコラム、動画などで、消費者にとって有益なコンテンツを提供し、問い合わせやイベント参加、購買につなげる手法のことです。
消費者がインターネットやSNS、YouTubeなどで、みずから情報を探しにいく時代になったことから、企業は認知などを獲得するために、消費者に有益な情報を発信するという形で働きかけるようになりました。

このように、企業がコンテンツを介して消費者に発見(Discovery)してもらい、信頼関係を構築(Engage)し、消費者は企業の商品の特徴を確認(Check)しにいくという、コンテンツマーケティングが普及した時代の購買行動モデルとして、「DECAX(デキャックス)」という枠組みが提唱されています。
近年の企業にとっては、消費者に発見してもらい、関係を構築できるようになるために、良質なコンテンツを提供し続けることが重要になっています。

■DECAXによる購買プロセスの分類

CCCMKホールディングスが提供する購買行動データ分析サービスの内容と特徴

CCCMKホールディングスでは、2種類の購買行動データ分析サービスを提供しています。

ID-POS分析 

約7,000万人が保有するTカードのデータを活用し、実購買・行動データをもとに課題に適した分析・レポーティングが可能です。
購買データは「誰が」「いつ」「どこで」「総額いくらで」といった内容に加え「何を」「どのくらい」「それぞれいくらで」買ったのかが分かることを強みとしています。
さらに、一人につき1つのIDで管理することにより、1度の購買だけではなく、週間・月間・年間など、期間を特定してその間にどれだけの購買があったのかをみることも可能です。

TVデータソリューション

特定のテレビ機器で、テレビにTカードを連携させている会員の視聴データを収集しており、TVCMを見た人のうち、誰が実際に購買行動を起こしたのかというところまで検証することができます
視聴データのマーケティング利用を許諾しているユーザーは全国に約47万人(2022年12月末時点)おり、地デジ・BSともに1秒単位でLIVE・録画視聴のデータを保有しています。

CCCMKホールディングスが支援した購買行動分析の実例

事例:野菜ジュースのTVCM出稿の最適化

購買・行動データとTV視聴データを掛け合わせ、野菜ジュースの購買者分析  と、分析結果を基にした最適なTVCM出稿を行った事例です。
従来、野菜ジュースメーカーでは、自社内で販売データなどは取得していましたが、デモグラ以外の情報は得られず、購買者の志向や価値観の可視化はできていませんでした。そこで、CCCMKホールディングスの購買・行動データを活用し、該当の野菜ジュースの購買者を分析したところ、”買ってほしい人”と”実際に買っている人”に乖離があることが明らかになりました。
その分析結果をもとにターゲット層を見直し、ターゲット層へリーチすることを目的としたTVCM出稿を実施しました。TVCM出稿後、購買・行動データと視聴データを掛け合わせ、TVCMを視聴した人が実際に購買まで至っているのかを、効果検証したところ、リーチ効率の大幅な向上につながりました。
本事例のように、CCCMKホールディングスでは、購買・行動データとTV視聴データを掛け合わせることで、ターゲット層・広告出稿の最適化を行い、効果の最大化を狙った施策を実施できます

購買行動モデルを意識して、効果的なマーケティング手法を検討しよう

消費者の購買行動モデルは、「マスメディアの時代」「インターネットの時代」「SNSの時代」「コンテンツマーケティングの時代」と、時代とともに変遷しています。各時代で提唱された購買行動モデルの特徴を把握して、自社が行おうとしているマーケティング手法との関係を意識しながら、施策を検討することが重要と考えられています。

効果的なマーケティング施策について悩んでいる場合は、他社の力を借りるという方法も考えてみてはいかがでしょうか。CCCMKホールディングスでは、企業のマーケティング課題の発見から効果測定までを一気通貫でサポートしています。ぜひご相談ください。


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